2002年2月、会田誠は広島市現代美術館の依頼により“愛と誕生”をテーマにした『「人」プロジェクト』の創作に取り組む。この作品は“エコロジー”に対する会田らしいアイロニーに満ち溢れたもの。200号の大作を前に、会田はあくまでもマイペースだ。その創作活動を時には連日の泊まり込みも敢行しカメラは丹念に追いかけていく。そして1ヶ月半に及ぶ密着により、撮影行為そのものが彼の生活の一部となった時、作家の素顔が捉えられる。

また『「人」プロジェクト』と平行してあるインテリア雑誌の依頼で白いイームズの椅子に画を描くという仕事が依頼される。幾つかのイメージが浮かび、転換しながら作品が完成するまでの創作過程を追い、彼の発想のユニークな側面を記録する。

そして、村上隆が主宰を務める「GEISAI-1」で開かれたギャラリーバトルでの同氏との対談や、講演会などで会田が語ったこれまでの作品の発想について、フランスのカルティエ現代美術財団美術館で開かれた「Coloriage(ぬりえ展)」での『新宿城』(ダンボールを使って作ったお城)の制作過程なども織り交ぜ、更にプライベートも含めたこれまでの会田の足跡を加えた200時間以上にのぼる素材から厳選した映像で構成する。

“現代美術”という世界で奇才にして異端と呼ばれる会田が挑む“アートの仕事”とは何なのかに迫ることで、彼の人間像を描く。


本編終了後、会田誠監督作品
「ミュータント花子(英語版吹き替え版)」予告編上映有り!!


撮影・編集・監督:玉利祐助
製作総指揮:榎本寛治
プロデューサー:河合伴明
整音:鈴木昭彦
取材協力:カイカイキキ、GEISAI実行委員会、カルティエ現代美術財団 他
制作協力:ミヅマアートギャラリー 
製作・配給:ビー・ビー・ビー株式会社
http://www.bbb-inc.co.jp/aida
2003年/デジタルビデオ/カラー/98分


玉利祐助 (監督) 略歴

1965年北海道生まれ。1990年より映画の助監督となり、井上昭、前田陽一、神山征二郎などベテラン監督の作品に数多くたずさわり演出術を学ぶ。
また現代美術にも関わりが深く、1994年「Museum City Tenjin」に参加したアーティスト・松蔭浩之をスチール写真で記録するという役目を担う。その際、松蔭の写真による作品の被写体として太宰治役で参加した会田誠とはじめて出会う。
昭和40年生まれということから、「昭和40年会」という現代美術を中心とするアーティストたちの活動にも参加し、映像コラボレーション『晴れたり、曇ったり』では強い個性を持った7人のアーティストたちの意見を見事にまとめ上げ脚本を手がけた。本作が監督デビュー作となる。